あちらこちらで演奏会の多い季節になりました。 私も先月はいくつか演奏会で舞台に立ったり、お客さんとして 出かけたりと、コンサート三昧のひと月でした。
演奏会の緊張感は良いですね。会場には 楽しみにしてきまし
たよ、という空気が充満しているせいか、ソリストものびのび
演奏できている気がします。
先日伴奏をつとめた演奏会でも、たくさんのお客様からあたた
かい拍手を頂いて幸せな気持ちになりました。苦労した曲であ
れば嬉しさ倍増です。やはり舞台は楽しいです。けれどいつも
山のような反省点も家まで持ち帰ります。これはどうにか減ら
したいのですがなかなか…。
アンサンブルといっても三重奏や五重奏とソロの伴奏では、少 し楽しさが違います。各々が主張しつつも一つの方向性を持つ 、という点では同じなのかもしれませんが、身軽な分ソリスト は自由なんですよね。私はソリストの演奏の中に、すーっと入 っていくのが好きなんです。そして、その人の呼吸とか間とか 、その人が持っている音楽の波長のようなものが感じられた時 は本当に気持ちが良いです。なので自由に泳ぎだしてしまった ソリストには、わくわくします。行きたい方向は見えるけれど 、自分一人では行けない場所へ向かっているような感覚でしょ うか。
でも一番幸せに思えるのは、また一緒に演奏したい、と言って もらえる事ですね。もうピアノをやめてしまおうか、と思うよ うな時でも、その一言で救われたりします。 いろいろな意味で良い演奏がしたいです。耳にも精神的にも余 裕が必要。そのためにできることは、今ここにある曲を練習す るだけですね。